今回は腰痛の影の原因について書いていきます。
腰痛の「影の原因」
私は仕事柄、人の歩き方をよく観察します。
往来で行き交う人を見ていると、ときどき「この人は骨格だけで歩いている」と思える人がいます。
理科室にある肢骨の標本を思い浮かべてください。
手足を動かすと重力の せいでダラリとなり、人形遣いに操られるマリオネットのような、変な動き になってしまいます。
この骨の標本がいい例ですが、人間は全身の筋肉が連携しながらちゃんと働くことで、はじめていろいろな動作をスムーズに行えるのです。
歩くときも例外ではありません。
というよりむしろ顕著に筋肉の働き方の悪い影響が出ます。
歩き方を観察していると、足腰の筋肉をうまく使えていない人が若い人の中にもけっこういて、あたかもマリオネットのようなギクシャクとした感じの歩き方をしています。
こんな人は、歩を進めるたびにバランスの不調から生まれる衝撃が腰にきます。
歩くたびに腰痛をつくっているようなものかもしれません。
ひとくちに「歩く」といっても、人によって使う筋肉が違います。
よく使う筋肉と、あまり使わない筋肉があって、だから歩き方は人それぞれ、千差万別なのです。
腰に悪い動作は、日常生活に限定しても、他にもたくさんあります。
椅子に腰掛けているとき、家事をするとき、ただ立っているときでさえそうです。
そんな動作をするたびに、腰への衝撃が少しずつ腰痛の原因として溜まっている、そう思うとゾッとしませんか。
もちろんちゃんと足腰や背中の筋肉が働いていれば、いずれもどうということのない動作で、腰に衝撃が溜まることはありません。
では足腰の筋肉の働きが悪く、腰に余計な衝撃をかけているのは、主にどういった状態のときなのでしょうか。
よい例が肩こりです。
張りのあとに筋肉のこわばりが現れるようなときです。
普段はあまり運動をしていないのに急にたくさん身体を動かしたりしたあとは、腰の筋肉に張りが現れ、やがてこわばってしまうことがあります。
すると、腰の骨格が衝撃を受けやすくなります。
これがぶり返す腰痛の「影の原因」です。
痛みを起こしている「表の原因」は結果にしか過ぎない
ここでこれまで説明したことを少し整理しておきます。
ぶり返す腰痛の震源地となっている所は、画像に写らない「小さな傷」からきています。
この「小さな傷」はぶり返す腹痛の「表の原因」といってよいでしょう。
ただしその傷は原因なくそこに発生するのではなく、ちゃんとした原因が あります。
その理由の第一が、ほとんどの動作時に身体のバランスをとるため、腰の奥の体幹部で働いている筋肉たち、インナーマッスルの機能低下です。
そのインナーマッスルと言われる体幹の筋肉たちの働きが低下すると、腰の特定の部分に大きな負担がかかり、小さな傷をつくる要因となります。
ぶり返す腰痛の「裏の原因」といってよいでしょう。
理由の第二が、腰の動きと連動している足腹や背中の筋肉のこわばりです。
これらの筋肉たちは、たとえばスポーツをするときも、日常生活でいろいろな動作をするときも、共に働いてスムースに実施できるようにしています。
腰にかかる衝撃を連携してやわらげる働きもあります。
ですがこれらの筋肉に張りが生じ、いつもこわばっているようだと、衝撃を減じる機能が弱まり、腰へダイレクトに伝わるようになります。
ぶり返す腰痛の「影の原因」といってよいものです。
杉並区の荻窪駅から徒歩3分にある荻窪きりん堂接骨院では様々なタイプに合わせたオーダーメイドの治療を行っております。
腰の痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください。
参考文献: もう2度と痛まない強い腰になる
著書 金岡恒治