「腰痛症」にはいろいろな原因がある
今回は腰痛の様々な原因について書いていきます。
ひとくくりに「腰痛症」とも呼ばれるが、原因はさまざま
腰椎の病気の多くは 背骨の老化に伴って起こる
腰痛が起こる病気はたくさんあり、内臓などの病気の症状として起こることもありますが、多くは腰椎に何らかの問題が生じていると考えられます。
若い年代ではけがやスポーツ障害が主な原因ですが、しだいに背骨の加齢変化(変性)による病気が出てきます。
腰椎の病気で最も多いのは、背骨の老化によって起こるこの加齢性(変性)疾患です。
背骨の加齢性疾患の基盤となっているのが椎間板の変性です。
椎骨の間にはさまってクッション役を果たしている椎間板は、加齢とともに徐々に弾力が低下し、組織に傷みが生じてきます。
椎間板は一度壊れたら元には戻りません。突然起こる椎間板ヘルニアも、多くはこうした椎間板の変性を基盤に起きてきます。
変性が進むとともに、椎間板の厚さは薄くなり、椎骨や椎間関節にかかる負担が大きくなります。
加齢とともに骨自体も弱くなっているので、すり減ったり変形したりしてきます。
中高年の腰痛の原因となる、変形性脊椎症、変性すべり症、変性側弯症・後弯症、腰部脊柱管狭窄症などはこうして起こってきます。
さらに、代謝性疾患とされる骨粗鬆症も加齢とともに増え、弱った骨に骨折が生じると、腰痛を招く原因となります。
原因を特定できない「非特異性腰痛」も多い
腰痛を訴える人が受診した場合、診察での医師の所見と画像検査の所見が一致すれば、「腰椎椎間板ヘルニア」「腰部脊柱管狭窄症」といったはっきりした病名がつきます。
しかし、腰痛にかかわる要因は多岐にわたります。
実際には、腰椎に加齢変化は見られてもそれが腰痛の原因かどうかがはっきりせず、筋力の低下、生活状況、ストレスなどのかかわりが考えられるような場合が少なくありません。
それらが複合的にからんでいることもあるでしょう。
そのような原因を特定しにくい腰痛を、専門的には「非特異性腰痛」と呼んでいます。一般に「腰痛症」といわれてきたものにあたります。
最近では、そのなかで心のストレスのかかわりが大きいものを「心因性腰痛」ととらえて、チーム医療で精神面のサポートをする試みなども出てきています。
心因性腰痛と診断されなくても、痛みが出る背景に精神面の要因がからんでいることもよくあります。
非特異性腰痛の治療では、痛みをとる消炎鎮痛薬の使用や筋力を高める運動などとあわせて、ストレスの解消をはかることも大切です。患者さんによっては、抗うつ薬などが役立つこともあります。
腰痛の原因となる主な病気と症状
ぎっくり腰
ささいなきっかけで突然発症。動けなくなるほどの激しい腰痛。
腰椎椎板ヘルニア
前かがみになると強くなる腰痛、坐骨神経痛。
変形性脊椎症
慢性腰痛で、朝起きたとき、動き始めに痛みが強くなる。
脊椎分離症・分離すべり症
腰まわりの鈍痛で、後ろにそらすと強くなる。
すべりが起こると坐骨神経痛。
腰椎変性すべり症
脚や腰の痛み、しびれ、間欠跛行(歩くと痛みやしびれが出るが、休むとまた歩ける)。
変性側弯症・後弯症
側弯症では腰痛、坐骨神経痛。後弯症ではまっすぐ立って歩けなくなる。
脊柱靭帯骨化症
衝撃が加わると急激に症状が現れる。
腰部脊柱管狭窄症
腰をそらすと痛む。坐骨神経痛、間欠跛行。
骨粗鬆症による脊椎骨折
突然、腰背部が激しく痛む。あるいは頑固な腰痛が続く。
脊椎腫瘍
痛みがしだいに強くなる。安静時にも痛む。
脊髄腫瘍(馬尾腫瘍)
坐骨神経痛。痛みがしだいに強くなる。
化膿性脊椎炎
腰や背中の激しい痛み、高熱を伴う。
結核性脊椎炎
腰や背中の鈍い痛み、微熱が続く。
心因性腰痛
ストレスが多い。自覚症状と、画像診断や身体所見が一致しない。
このように様々な原因がある腰痛ですが、杉並区の荻窪駅から徒歩3分にある荻窪きりん堂接骨院では様々なタイプに合わせたオーダーメイドの腰痛治療を行っております。
腰の痛みでお困りの方はお気軽にご相談ください。
参考文献:腰痛・坐骨神経痛 〜痛み・しびれの悩み スッキリ解消!
監修 戸山芳昭