【五十肩(肩関節周囲炎)の治し方】|
治らない理由と「インナーマッスル強化」が必要なワケ

こんにちは!荻窪きりん堂接骨院です!
「腕が上がらない」「夜中にズキズキして目が覚める」「服の袖に手が通らない」——そのつらさ、いわゆる五十肩(肩関節周囲炎/凍結肩)かもしれません。
五十肩は“自然に治る”と言われることもありますが、治りが遅い・長引く・途中で悪化するケースも少なくありません。この記事では、鍼灸以外の視点で、整体・運動療法中心の「治し方」をわかりやすくまとめます。特に、見落とされがちな治らない理由と、回復に欠かせないインナーマッスル強化について深掘りします。
五十肩って何が起きているの?
五十肩は、肩関節の周り(関節包や靭帯、腱板周辺)に炎症や癒着が起き、痛み+動きの制限が強くなる状態です。特徴はこの2つ。
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痛い(特に夜間痛・動かし始めの痛み)
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固まる(腕が上がらない/後ろに回らない)
一般的に経過は3段階で進みます。
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炎症期(痛みが強い時期):夜間痛が出やすい/無理に動かすほど悪化しやすい
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拘縮期(固まりが強い時期):痛みは少し落ち着くが動きが出ない
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回復期(戻っていく時期):動きが徐々に改善、筋力も戻す段階
大事なのは、時期によって“やるべきこと”が変わる点です。ここを間違えると長引きます。
五十肩が「治らない/長引く」よくある理由
1)痛い時期に、強いストレッチをやりすぎている
炎症期に「痛いけど伸ばした方が良い」と思って、強引に伸ばすと、関節包がさらに刺激され炎症が長引くことがあります。
ストレッチは必要ですが、タイミングと強度が重要です。
2)逆に、怖くて動かさなさすぎる
痛みを避けてまったく動かさないと、肩はどんどん固まりやすいです。
五十肩は「痛みをゼロにしてから動かす」ではなく、痛みを悪化させない範囲で動かしていくのが基本です。
3)肩だけ見て、姿勢・肩甲骨・胸郭を見ていない
五十肩の人は、肩だけでなく
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猫背(胸椎が丸い)
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肩甲骨が外に開く/上にすくむ
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首の前方位(ストレートネック気味)
が重なることが多いです。
この状態だと、腕を上げるときに肩関節だけに負担が集中し、痛みも可動域制限も戻りにくい。
つまり、肩の治療=肩関節だけ、では足りません。
4)「インナーマッスルの働き」が落ちている
ここが核心です。五十肩が長引く人ほど、肩を支えるインナーマッスル(特に腱板)がうまく働かず、肩が安定しないまま動かしていることが多いです。
安定しない関節は、動かすほど摩擦・衝突が増え、痛み→防御反応→さらに固まる…の悪循環に入ります。
5)別の原因が混ざっている(見落とし)
五十肩に似た症状でも、
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腱板断裂
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石灰沈着性腱板炎
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頚椎由来のしびれ・神経症状
などが隠れていることがあります。夜間痛が強すぎる、しびれがある、外傷後に急に上がらない等は、整形外科的な確認も大切です。
「五十肩の治し方」全体像
方針は3本柱
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炎症を落ち着かせる(悪化させない)
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固まった組織を“段階的に”動かす
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インナーマッスルと姿勢を整えて再発ループを止める
ここから具体策です。
【炎症期】痛い時期にやること(無理しないが、止めない)
✅ 目的:痛みの暴走を止める+固まり過ぎを防ぐ
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温め(入浴・ホットパック):楽になるならOK(炎症が強い直後で熱感が強い日は控えめに)
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日常動作の工夫:肘を体に近づけて動かす/高い棚の動作を減らす
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振り子運動(ペンデュラム):痛みが増えない範囲で小さく
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タオルや棒を使った他動〜自動介助運動(“痛気持ちいい”まで)
※この時期は、**「痛いのに限界まで伸ばす」**が一番長引きやすいです。
【拘縮期】固まりが強い時期にやること(ここが勝負)
✅ 目的:肩だけでなく「肩甲骨・胸郭」を一緒に戻す
鍼灸以外のアプローチとして効果的なのは、次の組み合わせです。
1)肩関節の可動域改善(関節包へのアプローチ)
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肩の前側・後ろ側の関節包の硬さを評価
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必要に応じて関節モビライゼーション(専門家の手技)
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大胸筋・広背筋・小円筋・肩甲下筋など、硬くなりやすい筋の調整
2)肩甲骨の動き改善(ここが抜けると上がらない)
腕を上げるには肩関節だけでなく、肩甲骨が「上方回旋」する必要があります。
肩甲骨が固まると、肩関節に無理がかかり痛みが残りやすいです。
→ 肩甲骨周囲(前鋸筋・僧帽筋下部など)の再教育が重要。
3)胸椎(背中)の伸展を出す(猫背対策)
猫背のまま腕を上げようとすると、肩の前が詰まりやすい。
→ 胸椎の伸展(背中を起こす動き)を出すと、肩が上がりやすくなります。
【回復期】最後に必要なのが「インナーマッスル強化」
なぜインナーマッスルが必要?
五十肩は、可動域が戻っても「支える力」が戻らないと再び痛みやすいです。
特に重要なのが肩のインナーマッスル=腱板(ローテーターカフ)。
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棘上筋:腕を上げ始めの安定
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棘下筋・小円筋:外旋と後方安定
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肩甲下筋:前方安定(内旋)
腱板が働くと、上腕骨頭が肩甲骨の関節窩で安定し、詰まり・摩擦が減ってスムーズに上がるようになります。
さらに「体幹インナー」も効く
肩は“腕だけの問題”に見えて、実は体幹がブレるほど肩に負担が乗ります。
腹横筋・多裂筋など体幹インナーが働くと、肩甲骨の土台が安定し、肩の回復が早くなりやすいです。
自宅でできるセルフケア(安全に続けやすいもの)
※痛みが強く増える場合は中止して専門家へ
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振り子運動(小さく・脱力)
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タオルで背中に手を回す練習(痛みの手前まで)
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壁を使った指歩き(少しずつ高さ更新)
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ゴムバンド外旋(肘を体につけて軽負荷で)
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肩甲骨の寄せ下げ(すくめない)
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胸を起こす体操(胸椎伸展)
ポイントは、可動域だけを追わず、**「肩甲骨+腱板+姿勢」**をセットで育てることです。
受診・検査も検討したいサイン
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強い夜間痛が続き、眠れない
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転倒など外傷後から急に上がらない
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しびれ・握力低下など神経症状がある
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発熱や腫れ、熱感が強い
こういうときは整形外科で画像検査も含めて確認が安心です。
まとめ:五十肩は「時期」と「安定性」を外すと長引く
五十肩の回復を早める鍵は、
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痛い時期に無理しすぎない
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固まる時期に肩甲骨・胸郭まで含めて動きを戻す
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回復期にインナーマッスル(腱板+体幹)を鍛えて再発ループを断つ
この流れを外さないことです。
「ストレッチしてるのに良くならない」「整体に行っても戻る」「夜だけ痛いのが続く」——そんなときは、肩だけでなく姿勢・肩甲骨・インナーマッスルまで含めて評価し直すと、突破口が見つかることが多いです。必要なら、あなたの今の段階に合わせて、最短ルートのプランに組み直していきましょう。


